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史実における海賊たち

史実における海賊たち

前置き

このゲームは「海賊たちの海(Sea of Thieves)」という現世からは隔離された世界を舞台にしています。

時代設定や場所、イメージとしては、史実での 1670年~1730年頃にカリブ海を拠点としていた海賊たちが元となっています。

また、ディズニーのフィクション創作のアトラクション「カリブの海賊」及びそれを原作とする映画からも影響を受けていると思われます

現代では、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」や漫画「ワンピース」などから海賊に関する知識を得ている人も多いと思いますが、

史実の海賊はまたちょっと違った実態があります。

本コラムでは、史実の海賊たちとのギャップを知って、もっと海賊を好きになろうという趣旨のものです

バッカニアと海賊

バッカニアはカリブ海を中心にスペインの植民地および商船に攻撃を加えた無法者集団で

「バッカニア」という言葉は、狩った獲物の干し肉を作るのに彼らが用いた道具「ブカン」に由来する

1625年に、フランス人のバッカニア達が当時ほぼ無人だったイスパニョーラ島北部に移り住んでいたが、当時はまだ猟師として生活していた

バッカニアは野生化した牛や豚を狩って生活していたが、これを根絶して追い出そうとスペイン人たちが攻撃したことで、バッカニアはスペインに対して強い恨みを持つことになる

バッカニアはもっと守りやすいイスパニョーラ島北西沖の島、トルトゥーガ島に移住するが、資源がほとんどなかったため、生きるため・恨みを晴らすためにスペインの商船に対して、略奪行為を始めたのがカリブ海の海賊のはじまりである

トルトゥーガ島の評判が広がると、フランス人のみならずカリブ海から様々な国籍、人種のならず者どもが集まるようになった

徐々にトルトゥーガ島は海賊たちのための歓楽街となり、治安は悪く「世界の掃き溜め」とも言われるような場所になっていく

海賊行為

海賊行為を行なう海賊たちには2つの種類があった

  • いわゆる世間一般的に知られている(自分たちの生活のために海賊行為を行なう)普通の海賊
  • 私掠(しりゃく)と呼ばれる、国から敵国の船を襲う(略奪)許可を得た合法的な海賊
    • 略奪品の2~3割を国に献上することが義務付けられた。戦争における傭兵のような扱い

国が私掠に熱心でなくなってくると、私掠許可状は撤回されてしまったりした。

失業した私掠船の船員たちは、そのままどこにも属さない海賊となった

また海軍として徴用されていた水兵たちも戦争が終わると現地で解雇されたりして、多くの者がそのまま海賊となった

私掠をしていた頃の海賊は他国と戦う国の英雄として扱われることもあったそうだが、国から疎ましく思われるようになってくると、現代のような犯罪者的な扱いを受け、捕まると死刑になるようになっていった

なぜ荒らくれ者である海賊たちは、協力して他の船を襲うための海賊団という組織を作ったのか

それは一人では大型の船を襲うことができないからである。

大型の船には、襲うだけの価値(略奪品)があるため、一人や少人数ではなく組織立って海賊行為が行なわれていた

「ルール無用」、「残虐な」というイメージが強いが実際には、同じ海賊団の中で揉め事を起こさないための厳しいルールがあった

意外と厳しい海賊の掟

集団で協力するため、海賊団ごとによって細かい差異はあるものの、

  • 利益の分配
  • 食料や飲酒に関すること
  • 指揮系統・職務従事に関する取り決め
  • 揉め事につながりそうなこと
  • 火災につながりそうなこと
  • 労災(海賊行為の際に怪我をした場合の)規定

などが織り込まれている非常に合理的な取り決めがほとんどだった

  • バーソロミュー・ロバーツの掟
    • すべての乗組員に投票権を認める(棄権も自由)
    • 略奪品は予め決めた役職に応じて公平に分配される。くすねたものは置き去り刑。仲間内での窃盗は耳や鼻を削ぎ、危険な場所に置き去りにする
    • 賭博の禁止(揉めるから)
    • 夜8時には消灯して寝ること。飲みたりない場合は甲板でのみ飲酒可
    • 武器(ピストルや剣)の整備は欠かさないこと
    • 許可なく少年や女性を乗せてはいけない(色恋沙汰で揉めるから)
    • 戦闘中に船から逃亡、持ち場を離れたものは死刑または置き去り刑
    • 船上での私闘(ケンカ)を禁ずる。揉め事は陸地において剣とピストルによる決闘によって解決する
    • 個々の分け前が1000ポンドに達するまで、一味を抜けることを許さない。職務中に手足を失ったり、活動に支障が出る負傷をした場合には、800ドルを共有貯蓄から補償し、それに満たない負傷は、その度合いに応じて支払う
    • 船長と操舵長は2人分の戦利品の分け前を得る。航海長、甲板長、掌砲長は1.5人分、それ以外の上級船員は1.25人分とする。
    • 音楽家には安息日に休みを与える。その代わりに他の6日と夜は特別な許可がない限り休みはない。

といったもの。

船長や中間管理職の取り分がそこまで多くないことが意外かと思われる

どういった船が襲われていたか

金やお金、貴金属や宝石といったものを積載した船を襲うこともあったが、小麦や糸、布、服といったような生活に直結する日用品が主な目標だった

また襲われた船の船員は殺されるのではなく、無抵抗であればその場で海賊として採用されることが多かった。

これは襲った船をそのまま鹵獲して海賊船として一味に加えたり、売るためにも操船する人員が必要だからである

海賊旗の意味

海賊旗(ジョリー・ロジャー)は普段は隠しておき、普通の船を装い襲う船もに近づいていき攻撃できる距離まで来たら海賊旗を揚げるという使い方だった

荒らくれ者のイメージが強いが、海賊旗には「降伏か、死か」という意味があり、脅しとして使われた。

降伏すれば命までは取らないという慈悲があった

前述の通り、降伏して拿捕した船を操船する海賊の一味となるか、捕虜となって身代金を要求するための手紙を書かされるか、殺されるかのどれかを選ぶことになる

また、海賊旗の後に揚げる赤い旗には「無慈悲」に殲滅するという意味があり、降伏しない船に対しては攻撃の際、赤い旗が揚げられたとのこと

Sea of Thieves において、「死神の印の旗」が赤いのはこれに由来していると思われる

よって、史実を理解して正しく使いたいのであれば「降伏しなければ沈めるぞ」という脅しには海賊旗を使い、「攻撃して沈めるぞ」という意志表示に使うのであれば「死神の印の旗」を揚げるのが良いだろう

労働環境・待遇

商船や奴隷船の船員は、海賊の船に比べると過酷で待遇が悪く、海賊に襲われ降伏すると、そのまま海賊になる者が多かった(労働基準法なんてものは存在しない)

また、海賊は一度の航海ごとに雇用契約を結んでいた

他の船を襲う際の抵抗に遭う危険はあるものの、海賊の掟にもあるように、意外にも合理的で平等なルールがあり、

普通の商船や奴隷船、海軍などに比べると海賊船の収入・労働環境は良かったらしい

海賊団の中では、平等に扱われることが多く、元奴隷の者も多くいた

航海期間

長くても数週間ほどと短い。

GPS はもちろん、正確な位置を知る航海法がないのと、食料を長期保存する手段がなかったため、航海は限定的

また夜は座礁の危険があるため、暗くなると停泊することもあった

女性に対する扱い

ディズニーのアトラクションや映画では強姦を暗喩するような描写が多いが、

船に女性を乗せることは揉める原因になるので船の掟で禁忌となっていることが多く、不幸を招くとして迷信として信じられることもあった

実際には女海賊も存在し、有名な海賊ではメアリー・リード、アン・ボニーなどがいたが、多くは男装して船に乗り込んでいた

陸に帰ると

陸に戻ると、ケンカや酒、女遊び、賭博など海の上で制限されていたことから解放されることが多く、

イメージ通りの海賊生活だったようです

食料・水

冷蔵庫のない時代なので、日持ちする干し肉(燻製肉)か塩漬けした肉や乾燥した(硬い)パンなどが主。

パンはすぐに虫だらけになる

牛や鶏などの家畜を乗せている場合は卵や牛乳など。食料がなくなってくるとそれも肉として食べる

釣りや船による漁業は発達していなかったため、魚はほとんど食べられず、ウミガメなどを捕まえて食べていた

水は数日で腐ってしまうため、安価なラム酒やビールなどを飲むか、水と混ぜて腐った味を誤魔化して飲んでいた。(基本的に腐らないアルコールしか飲むものがないので、船員のほとんどがアルコール中毒)

海賊たちはお酒好きなイメージがあるかもしれないが、実際はそれしか船上で飲むものがなかったのである。

また海はサメが多く、泳ぐのは危険だとされていた

武器

剣、及びピストル。

この頃のピストルは、黒色火薬を使った先詰め式の銃で、本ゲームでもそれが再現されている

一発撃ってしまうと再装填にはとても時間がかかるため、装填済みの銃を複数持ち歩くのが普通だった



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史実における海賊たち.txt · 最終更新: 2023/05/27 04:05 by mizunago